🐻熊20:熊という記憶

クマシリーズ

― 森の息づきのなかで ―


🗂目次


分類:哺乳綱 クマ科
象徴圏:自然・記憶・循環
主題:熊と人の記憶・森の時間
象徴:記憶・静けさ・再生・自然の呼吸
関連語:熊,記憶,森,自然,静けさ,循環,終章


🌲森の声を聞く

森の奥を歩くと、
風が葉を揺らし、枝がきしむ。
その音は、
まるで誰かが呼吸しているようだ。

熊は、もう見えない。
けれど、
その気配は、風の中に残っている。

山が息をし、
川が光を返す。
そのすべての中に、
熊がいた時間が流れている。


🍂記憶という命

人は、
熊を恐れ、敬い、語り、描いてきた。

語りは物語となり、
物語は文化となり、
やがて、記憶へと変わっていく。

熊という存在は、
私たちの“生きる”という感覚を
もう一度、根から思い出させる。

それは、
森に刻まれた記憶そのものなのだ。


🌌熊のいない森で

もし、
熊がいなくなったら、
森は何を失うのだろう。

実りの季節を運ぶ足音、
倒木を掘り返す力、
命を循環させる爪の跡。

熊のいない森は、
ただ静かなだけの場所になる。
それは平和ではなく、
記憶の断絶かもしれない。


🌙静けさのなかに残るもの

夜の山に、
風が通り抜ける。
光は消え、
闇は深くなる。

その静けさの中で、
人も熊も、
ただ同じ“生”として溶け合う。

熊という存在は、
もうどこにもいない。
けれど、どこにでもいる。

森の奥にも、
人の心にも。

その記憶が息づく限り、
熊は、いまも生きている。


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