🐝ミツバチ4:季節の営み ― 春夏秋冬の動き

ミツバチシリーズ

― 季節のめぐりに合わせて、群れの呼吸も変わっていく ―

ミツバチは、花の季節とともに生きている。 春に巣が育ち、夏に群れが大きくなり、秋に備えを固め、冬には静かに身を寄せ合う。 その季節ごとの行動の変化は、植物や気温と深く結びつき、群れ全体のリズムをつくっている。


🐝目次


🌸 春 ― 巣が動き出す季節

春になると、花が咲き、気温が上がり、ミツバチの動きが活発になる。 この時期は育児と採集が急速に増える。

・女王蜂の産卵量が増える ・働き蜂が外へ出始める ・新しい巣房がつくられる ・蜜と花粉が一気に運びこまれる

春の立ち上がりが良いかどうかで、群れの年間の強さが決まる。


☀️ 夏 ― 群れが最大になる時期

夏は群れのピーク。 働き蜂が最も多く、巣の中はもっともにぎやかになる。

・採蜜の量が一年で最高 ・幼虫の数が増え、育児が続く ・暑さ対策で換気が頻繁に行われる ・蜜蝋の生産も増えて巣が広がる

真夏には、巣の温度を34~36℃に保つため、働き蜂が入口で羽ばたき続ける。


🍁 秋 ― 冬に向けた備えの時間

秋は蓄えと調整の季節。 冬に向けて群れの形を変えていく。

・蜜と花粉の貯蔵を増やす ・雄蜂が巣から出される ・産卵量が減り、育児が少なくなる ・巣内の清掃を強化して病気を防ぐ

この時期の準備が不足すると、冬を越せない群れも出てくる。


❄️ 冬 ― 静かに越す“温度の巣”

冬のミツバチは、花が咲かないため外で採集をしない。 その代わり、巣の中で集団で温度を保ちながら冬越しをする。

・蜜を少しずつ食べながら活動 ・中心に女王蜂、周りを働き蜂が囲む ・交代で巣の外側と内側を入れ替える ・温度は約20℃前後を維持

ミツバチにとって冬とは、動かずに生きる“耐える季節”。 静けさの中でも巣は確かに呼吸している。


🔄 季節とミツバチ ― 行動を変える要因

ミツバチの行動は、単に季節だけで決まるわけではない。 気温・花の種類・天候・群れの状態が複合的に影響する。

・暖冬だと外へ出る日が増える ・花が少ない春は群れの立ち上がりが遅れる ・夏の干ばつは蜜源の枯渇につながる ・女王蜂の産卵量で群れの規模が左右される

季節の変化を“読む”力こそ、ミツバチが長く生き続けてきた理由のひとつだ。


🌙 詩的一行

季節の縁をめぐりながら、群れは静かに形を変えていく。


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