分類:鳥綱 カモ目 カモ科 ハクチョウ属
学名:Cygnus cygnus
分布:ユーラシア北部で繁殖し、冬季に日本・中国・ヨーロッパへ渡来
体長:約140〜165cm/翼開長約210〜240cm
体重:8〜12kg
食性:水草・根・穀物などの植物食
特徴:白鳥の中でも最大種。直線的で長い首、黄色と黒のくちばしが特徴。群れで渡り、家族単位で越冬する。
― 北の王 ―
雪原の風を背に、白い影が湖へ舞い降りる。
それがオオハクチョウ。
北の空から渡ってくる冬の王者は、静けさの中に凛とした光をまとっている。
その姿は、寒さの象徴でありながら、どこか温かさをも感じさせる。
🌾目次
🌿 姿 ― 威厳をまとう白
オオハクチョウは白鳥の中でも最大。
長くまっすぐな首と均整の取れた体躯は、まるで彫刻のような静謐さを持つ。
その白は、雪の白とは違う。光を反射し、影を抱き、季節の深さを映している。
水面を進むとき、波を割る音さえ、どこか品格を帯びている。
❄ 生態 ― シベリアからの旅
繁殖地はシベリアのツンドラ地帯。
夏の短い間に営巣し、雛を育てる。
秋の冷気とともに家族で南へ渡り、日本の湖や湿地に姿を現す。
飛び立つときは助走をつけ、水を叩くようにして風を掴む。
その羽音には、北の大地を越えてきた重みがある。
🏞 日本で過ごす冬
主な越冬地は北海道の屈斜路湖、東北の伊豆沼や瓢湖など。
人の近くで暮らすことに慣れ、餌をもらいながら穏やかに冬を越す。
早朝、霧の中から現れる群れは幻想的で、北国の冬を象徴する風景だ。
その佇まいは、厳しい自然と人との間にある、やわらかな調和を感じさせる。
🌙 詩的一行
白い静けさが、冬の王を包んでいた。
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