🌍 世界2:グレートバリアリーフの再生 ― サンゴが語る希望と限界

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海が少しだけ息を吹き返した

オーストラリア北東部、グレートバリアリーフ。
世界最大のサンゴ礁が、いま静かに息を吹き返している。
現地の研究機関によると、一部の海域では白化からの回復が確認された。
だが同時に、他の多くの区域では依然として死滅が進み、
全体では「わずかな改善にとどまる」と報告されている。

海水温の上昇が続き、
サンゴが共生する褐虫藻を失う現象――白化。
それは世界中の海で起きている。
熱帯の陽射しの下で広がる白い海底は、美しくも痛々しい。
回復の兆しが見える場所では、
水温が一時的に安定し、サンゴの再生力が働いたという。

けれど、海の時間は人よりも遅い。
この再生が持続するかは、
次の夏の熱波がどこまで海を焼くかにかかっている。
ほんの数度の差が、海の命を分ける。

サンゴは、生き物であり、海の記録でもある。
何千年もの間、光と潮の記憶を積み重ねてきた。
その断片がまだ息づいていること――
それ自体が、ひとつの希望なのかもしれない。

🌏 せいかつ生き物図鑑・世界編
― 海を渡る命を見つめる観察記 ―

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