― どんな音に囲まれて生きているか ―
🗂目次
🔊音の飽和
現代の世界は、
音で満ちすぎている。
目覚ましの電子音、エアコンの唸り、
店内のBGM、通知の効果音。
静けさがどこにもない。
けれど不思議なことに、
音が多いほど、人は“聴かなくなる”。
ただ通り過ぎるだけの音が、
心に届くことは少ない。
📱機械のリズム
機械の音は、
正確で、無感情で、終わらない。
それに慣れすぎた耳は、
自然の“揺らぎ”を感じにくくなる。
鈴虫の声には、
その揺らぎがある。
少しずつ速さが変わり、
風で途切れ、また始まる。
その不完全さが、
生きている音の証だ。
🍃自然の声
自然の音は、誰かが作るものではない。
その場の空気と温度が、音を生む。
鈴虫の声は、夜の湿度と風の強さで変わる。
同じ“リーン”でも、
昨日と今日は違う。
機械の音にはない一回性。
それが、聴く人の心を動かす。
🌙聴くという行為
耳を澄ますとは、
世界のリズムに触れることだ。
機械の音に慣れた現代の人にとって、
それは“取り戻すべき感覚”かもしれない。
鈴虫の声は、
自然の中で鳴っているだけではない。
私たちがまだ聴こうとする限り、
どこででも響ける。
コメント